2024/10/19 10:20

シェケレの製作の難しさと奥深さ

シェケレは西アフリカ発祥の伝統的な楽器で、最近ではさまざまなジャンルの音楽にも取り入れられています。 

「シェケレ 作り方」という検索結果が上位に表示されるのを見ると、手作りに興味を持つ人が多いことが分かります。 

 しかし、実際にシェケレを作るのは、想像以上に奥が深く、簡単にはいかないものなんです。


 シェケレを楽器としてしっかりとした「音」を引き出すためには、材料の選び方から形状、ビーズの結び方や配置に至るまで、細部にこだわる必要があります。シェケレはただの手作りアイテムではなく、音楽の一部として機能するためには、実は経験や独自の工夫が重要です。


 今回は、私がシェケレ製作を通して感じた難しさや工夫について、少し裏話をお届けします。


シェケレ製作の第一歩:ひょうたん選び

シェケレ作りの最初のステップは、ひょうたん選びです。ひょうたんはシェケレの「胴」となる部分で、音の質や耐久性に大きく影響します。選ぶ際には、海外産か国内産かによって音の鳴りや特徴が異なります。


  • 海外産のひょうたん
    高価で重いですが、耐久性があり、ピッチが低く重厚な低音を出しやすいという特徴があります。ただし、鳴らすのにコツが必要なことが多いです。

  • 国内産のひょうたん
    比較的価格が抑えられ、軽いですが、耐久性がやや劣り、高めのピッチで音が鳴りやすいという利点があります。


    コストを抑えたい場合は、国内産のひょうたんで厚みのあるもの(1cm程度)を選ぶと良いです。国内産の薄いひょうたんは壊れやすいため、注意が必要です。

低音を求めるなら海外産ひょうたんがオススメ

低音の重厚さを重視するなら、海外産のひょうたんがオススメです。ただし、価格が国内産の2~3倍になることがほとんどです。

 その理由としては、以下のような点が挙げられます。

  • 海外でのひょうたんやシェケレの需要が高い事
  • 輸送費&関税
  • 植物検疫の手続き費用
  • 円安の影響
    など

ひょうたんの形状とサイズ

ひょうたんにはさまざまな形状があります。例えば均等に丸く膨らんだものや、縦長な形など。
首があまりに曲がっているひょうたんは、演奏時にコントロールが難しくなるため、まずは定番の形のひょうたんを選ぶのが良いでしょう。

サイズも、小さなものから大きなものまでさまざまです。お子様や女性のように体格や手が小さい場合は、直径19cm〜24cm程度、一番太い部分の外周が60cm〜70cm程度のひょうたんを選ぶとコントロールしやすいかと思います。
男性や手が大きい方には、直径23cm〜28cm程度、一番太い部分の外周が68cm〜78cm程度のひょうたんが扱いやすいでしょう。

天然素材だからこその難しさとひょうたん購入時の注意点

ひょうたんは天然素材であるため、個体差が大きく、どれだけ素晴らしいものを選んでも理想的な音が出るとは限りません。

OTOMO Percussionでは、低音が出ないひょうたんや皮が柔らかすぎて割れやすいものを研究材料としてボツにしています。

購入する際に特に注意すべき点は次の通りです。


  • 臭い
    ひょうたんは乾燥させる過程で一度中身を腐らせる必要があります。その際に強烈な悪臭を放ちますが、正しい方法で乾燥させないと、乾いた後もこの悪臭が残ることがあります。私も製作を始めた頃にこの問題に直面し、家の中に置くことさえ困難でした。

  • 低音の個体差
    ひょうたんの低音の鳴りは実際に叩いてみないと分からないことが多く、特に海外産のひょうたんは低音の出方に個体差が大きく、中にはほとんど鳴らない個体もあります。

  • 皮の柔らかさと耐久性
    ひょうたんの皮が薄く、柔らかいと耐久性が低く割れてしまうことがあります。国内産のひょうたんは音質は良いものの、皮が柔らかく割れやすいことが多いです。 
                                                                

シェケレ製作にはこうした苦労がありますが、その分、理想的な音が出たときの喜びは格別です。
もし「自分で作るのは難しそう…」と思われた方は、ぜひOTOMO Percussionのシェケレを試してみてください。私が厳選したひょうたんで作ったシェケレは、確かな音色をお届けします。
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